お姫様とターゲットの接触 ページ7
不毛な言い争いを続けているきんとき君と吉祥寺さんの間に割り込む。あーぁ、吉祥寺さん、まだまだ甘いなぁ…。一瞬だけど私のこと睨んでたよね?気づかないとでも思った?
「吉祥寺さん、そこまでこのバンドに拘る理由はなんでしょう?」
でも気にしない。あくまでも良い子のフリして、吉祥寺愛海の出方を見る。
「拘る理由?そんなの決まってるじゃん!アタシが入ったらこのバンドはもっと良くなるからだよ!」
…何を言ってるんだこの女は。
「…おっしゃってる意味がよく…。」
「アタシ、ドラムできるの!」
「あー…そっちのパターンか…」
小さくカルアちゃんが呟き、心の中で同意する。このバンドに入りたいと言ってくる女子達は2パターンに分かれる。多いのが、私とカルアちゃんのポジション…用は、マネージャーになりたいと申し出てくる子達。もう一つは、今の吉祥寺さんのように、楽器が弾けると言ってくる子達だ。まあどっちにしろ、このバンドに入れるわけにはいかないんだけど。
「…とりあえず、このお話はまた放課後にしませんか?お昼休みもそろそろ終わりますし…。」
「…そうね。また放課後に来るわ!」
そう言って吉祥寺愛海は教室へ戻っていった。
「…なんなのアイツ。」
シャークん君が小さく呟く。自分のポジション奪われそうになって吉祥寺愛海への憎悪が強くなったんだろうなぁ。
「…A。アイツを潰す手伝い、俺にさせて?」
「…いいの?シャークん君には無駄な負担かけないようにしようと思ってたのに…。」
「いいよ。俺今すっげぇイラついてるからさ。アイツを完膚無きまでに叩き潰したい。」
わー、シャークん君のオーラがドス黒くなってる。…でも気持ちはわかるよ。シャークん君にとって…いや、皆にとってこの居場所を奪われるのは絶対に嫌だもんね?まあでもそういうことなら…。
「…シャークん君がそこまで言うなら、協力してもらおうかな。」
本当なら吉祥寺愛海の攻略対象であるスマイル君に協力してもらおうと思ってたけど…シャークん君用にプランを練り直そうか。
不満げに私を抱き締めるスマイル君。
「えー…シャークん、俺のA盗らないでよ…?」
「Aのことは好きだけど友達の恋人盗るわけねーだろ…。てか今更俺疑われんの…?」
「シャークんがやる気なの珍しいねぇ。」
「Nakamuまでなんなんだよ…。」
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作者名:さくらもち | 作成日時:2024年3月20日 17時